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8合目~8合5勺 [富士山]

吉田ルートとの合流は衝撃的だった。

砂埃がもうもうと上がっている。
みんなマスクをするか、バンダナなどを口にまいて防いでいる。
ぶすねこも首に巻いていた手ぬぐいを口にあてるが、どうにも苦しくってやめる。
ただでさえ空気が薄いのに、吸い込み辛くするなんて、高山病に拍車をかける。
足元は砂が深くなり非常に滑る。
1歩踏み込んでも、半歩は戻ってきてしまう。
1.5倍は歩かないといけない。
お日様が近くなった感じもする。
日差しが痛い。
この日は朝からぶすねこ家はみんなサングラスをかけた。
娘達もこのためにJINSでサングラスを買った。
登り始める前には日焼け止めも塗ったけれど、登り始めると塗り直すなんてどうでもよくなってしまった。
それを帰って来て、心の底から後悔することになるんだけど。
鏡を出して塗り直すなんて事、する気力がおこらない。
娘達も日焼け止めは嫌がったし、効果が薄くてもスプレー式にすればよかったと思った。
シュッと一吹きならやったかも。

吉田ルートを登って来た人たちは、軽装の人が多い。
そして若い人が多いように感じた。
ここの所トレーニングで登っていた近郊の低山は、中高年ばかりだった。
たま~に親子連れには出会うけれど、若者にはほとんど出会わない。
でも、富士山は10代、20代と思われる若者がいっぱいいた。
そして、その若者の中には渋谷でも歩くような格好で登っている人も多かった。
さすがにみんな、Tシャツ、パンツ、スニーカー、リュックは外していなかったけれど、
Dバックをおしりの所まで下げて背負い、ハイカットのスニーカーは靴紐をゆるく縛り、カパカパいう状態。
ハーフパンツにキャップを斜めにかぶってキメていた。
これでここまで登って来たんだからすごいなぁと思った。
若いって素晴らしい。
後先考えない事なんて、いつから出来なくなったかなぁ。
常に先を見るようになっちゃったな。つまらなくなっちゃったのかも。

昨日よりも気をつけて歩幅を小さく登る。
足を踏み出すと砂に潜り、ずるずると戻ってくる。
それでも1歩1歩踏み出すしかない。

2012_0730_143231-P7300105.JPG

砂はこんな感じ。
火山灰だよね。
海や川の砂とは大分違う。

息が苦しい、頭が痛い。
何が辛かったかって、この頭痛。
登ってゆく事の苦しさはどの山でも同じ。
1歩1歩登ってゆけばいつかは頂上に着くのも分かっている。
でも、この頭痛だけは何ともならない。下山しないと治らないものだし。

それでも頑張って登って行って、7時55分、本8合目到着。

2012_0730_083954-P7300069.JPG

標高3360m。
7合目を出発して約2時間。ほぼコースタイム。
しばらく休憩ののち、8時20分に出発。
もうゴールも見えて来たのに、足取りは重くなるばかり。
そして次の山小屋は待望の9合目!!かと思いきや、

2012_0730_090046-P7300070.JPG

8合5勺・・・。
何だいそりゃって感じ。
到着8時40分。

この辺からさくっちょと励ましあうのに話したのは、「ボルトなら~秒!」
山小屋の手前200mの所には、『~合目まで200m』という看板が出ている。
これを見ると、「ボルトなら20秒!」と言って励ましあった。
このボルトとは、言わずと知れたウサインボルト選手。
ボルト選手でも山道じゃこのスピードでは走れないだろうけど、
『あと20秒』と言われると、すぐそこって感じがする。
さくっちょはだんだんカウントダウンしてゆく。
「ボルトなら19秒、ボルトなら18秒・・・。」
でも、最後の1秒になっても到着しないと、「ボルトなら0.9秒・・・ボルトなら0.09秒・・・」
と、小数になっていった。
しまいには小数点以下何桁まで数えたか分からなくなってしまう事もあった。
でも、「あ~、分からなくなっちゃった~」とか言って笑っている事で、
気持ちが折れてしまわなくって済んだな。
やっぱり笑うって気持ちが上がる。
さくっちょは良いムードメーカーだなぁとまたまた実感した。

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