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長い夜 [富士山]

初の山小屋宿泊。

富士山に来る数日前から東京は35度を超す猛暑日が続いていた。
で、ここ、富士山7合目に到着したら、気温は

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16度!!
20度も違うんだね。
下調べで分かっちゃいたけど、やっぱりびっくりする。

到着して受付を済ませると、今晩の寝床に案内された。

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布団の上に寝袋が行儀よく並べられていた。
この寝袋の幅分が一人のスペース。
寝がえりなんてうてやしない。
案内された寝床は、まさに寝床と言う感じ。
もちろん下調べをして来て、覚悟はしてきたけれど、実際見るとなかなかでした。
この『寝床の間』は真ん中に通路があって、両脇に2段ベットのようにお部屋(?)が並んでいた。
壁があるわけじゃないので、お部屋と言えるかどうかは疑問だけれど、柱や梁でそれとなく仕切られたそのスペースは、見た感じ約3畳ほど。
そこにそれぞれ6枚ずつの寝袋が並んでいた。
ぶすねこ一家は上段に4人並んでスペースをもらった。
サル梯子を登って上段に上がってみると、さらに梯子があって、3段目が現れた。
3段目はちょうど通路の上になる。
ここにも人が寝るのかぁと感心した。蚕棚のようだ。
布団や寝袋はきれいとは言い難かったけれど、不潔な感じはなかったし、においはなく、手入れはされているようでぶすねこは許容範囲。
旅館やホテルではないのは覚悟の上なので、十分と言った所。
困ったことと言えば、着替えができないのよ。
男の人なら気にせずパンツ一丁にでもなれるけれど、女子はそうもいかない。
ぶすねこ一家は早めに到着したから3段目にはまだ誰も来ていなかったので、3段目でささっと着替えた。
歩いて汗をかいたのに気温が低いんだもの、着替えをしなくっちゃ風邪をひくよ。
到着が遅かったら、トイレで着替えるしかなかったろうなぁと思う。

着替えて、夕飯までは一眠り。
気圧が低いせいか、よく歩いたからか、とにかく眠い。
夕飯まで気持ちよく眠った。
それがこの日最後の気持ち良い睡眠だった・・・。

午後5時、夕飯の時間。
そのちょっと前にこの6人部屋の他の宿泊者がやってきた。
男の子2人と女の子1人を連れた家族連れ。
ぶすねこ一家の隣に2人と、3段目に3人案内されていた。
ご挨拶をしようかとタイミングを見計らっていたけれど、どうやら下の男の子が具合が悪いらしく、3段目に上がって寝てしまった。
声をかけるタイミングを外してしまったら、そのまま食事に呼ばれ、せっかく同室(?)になったのにもかかわらず、挨拶の一つもできなかった。

食事は到着順に呼ばれるようで、ぶすねこたちは一番最初の回に呼ばれた。
食堂にはテーブルが4つあって、一度に30人ほどが食事をする。
受付の時、この日は満員で、130人ほどが泊ると聞いていたので、5回ぐらいは入れ替わるのかな。
メニューはハンバーグと豚汁!!
しかもご飯と豚汁はお代わり自由。
この山小屋にしたのはこの夕飯のためと言っても良いくらい。
どうやら富士山の山小屋ではカレーの夕食が多いらしく、しかも量が少なくって食べた気がしない所が多いと言うじゃありませんか。
そんなんじゃ登れないでしょ。
と言う事で、ご飯と豚汁のゴールデンコンビの夕食で、しかもお腹いっぱい食べられる所という観点で選んだ。
味は豚汁がかなりしょっぱかった。
汗をかいているしちょうどいいのかもしれない。
おかずが無くなっても豚汁でご飯が何杯でも食べられる。
普段は小食のぶすねこだけれど、この日はとてつもなくお腹が空いて、いつもの倍は食べたかな。
あ~、お腹いっぱい食べられるというのは幸せだぁ。

ご飯が済んで、さて何をするか…と思っても、何にもする事がない。
お風呂はもちろん無いし、お水が無いから顔すらも洗えないし、歯も磨けない。
外に出ると寒いし、寝床は狭いし・・・。
仕方がないので所在無げにあちこちふらふらしていた。

夕方、日が沈んだ。

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眼下には雲海が広がる。
雲よりも上にいるんだなぁなんて、今さらながらに感動した。

写真にはうまくとれなかったけれど、暗くなって来てから眼下の雲で稲妻が光った。
あの雲の下は雷雨なんだなぁ。
雷を下に見るなんて、まさに歌の通りだ!!
富士山ってやっぱりすごい!

翌朝は4時起きなので、もう寝るかと寝袋に入ったのは7時ごろ。
ぶすねことダーは娘達を真ん中にして寝た。
寝ようと努力した。
でも、寝れない。
隣のさくっちょが一晩中うなされていた。
時折起きては「苦しい!」と訴える。
さくちょの裏ケンがとんでくる。ひざ蹴りがみぞおちに来る。
反対隣は同室の家族のお父さん。
このお父さんが大きい人で、肩と肩が重なる。
寝息もかかる。
いびきが耳元!!
時折重たい足がぶすねこの足の上に乗っかってくる。
寝れるわけがない。
こんなんで眠れる人がいるわけない~!!
それでも休まなくっちゃと横になっていたけれど、寝返りもできなくって、頭痛がし始めた。
ただ不自然な体制で寝ていたせいなのか、それとも高山病か、判断はつかなかったけれど頭痛が始まってしまった。
ま~、この夜の長かった事!!
耐えきれなくなって外に出る。
寒さが我慢できなくなって戻る。
これをひたすら繰り返していた。

12時前後、頂上でご来光を見る人たちが次々と出発していった。
それをぼんやりと見ながら、早めに到着して仮眠をとって、この時間に出ていくのが正解だと思った。
今回は初めてだったし、子ども達を連れて暗い中を歩くのが怖かったので朝まで山小屋にいる予定にしたけれど、朝まであの寝床にいるのは辛すぎる!
大人だけなら夜歩くのが正解だと思う。

富士山では一晩中歩いている人が途絶えない。
山小屋も終夜営業をしている。
外はひたすらにぎやかだ。
辛くなり外に出る。
星がものすごくきれい。
東京で見る星の3倍は星が見える。
(ぶすねこは目が悪いので、昼間はコンタクトをしている。夜は度を落とした眼鏡なので、目の良い人はもっと星が見えるに違いない。)
頂上の方を見上げると、歩いている人のヘッドライトが見える。
あんなに多くの人が歩いているのかと不思議な感じがする。

夜中の3時ごろ、みーも起きたので一緒に外に出て、そして戻ってきた。
その時、はたと思い立って、もう出発してしまってもう誰もいないお部屋を探した。
暗い中目を凝らして探す。
やっと見付けたお部屋にみーと二人で上がり、のびのびと寝た。
ほんの小一時間だったけど、ようやく寝られた時間だった。

初山小屋で眠れない中での発見。
130人ぐらいがぎゅっと一部屋にいる中で、あちこちからひっきりなしにおならの音が聞こえてくる。
いろんな音があった。
『ぶっ』だったり、『ぷぅ~』だったり、『ばふ』だったり。
おならも個性があるんだなぁなんて思った。
あんなにあちこちでおならの音がするのってすごいな。
気圧のせいなのかな。

脱線しましたが・・・。
ようやく待ちに待った朝がやってきた。
4時、朝食に呼ばれる声がする。
夜が終わった事が嬉しくってしょうがなかった。
頭は少し痛かったけど、ご飯は美味しく食べられた。
朝ご飯は鮭の焼き魚定食。
ほっとする。
食事って大事だと思う。
さくっちょも、ちょっと調子は悪そうだったけれど、頭痛も吐き気もなかったみたいで、朝ご飯はきちんと食べた。
最後の一人になって、周りはみんな片付けられても気にせず食べた。
すごいぞ、さくっちょ!

食事が終わった頃、お日様が顔を出した。

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ちょっとピンぼけですが・・・。
本当にきれいだったよ。
鮮やかと言うのか、お日様と自分の間に不純物が何もない感じ。
ダイレクトに陽の光が届いている感じ。
さあ登るぞ!!
とやる気が出た。


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